【オスとメスの見分け方 】

アワビのオスメスの区別は、生殖腺という部分で見分けます。メスの卵巣は緑色、オスの精巣はクリーム色っぽい茶色をしているのです。生殖腺とは、簡単に言うと肝ですね。
産卵時期は、9月から11月です。この時期になると、生殖腺が発達するので、色がはっきりとして膨らんできます。
放卵放精型の繁殖を行います。

養殖施設では、人工的に産卵させる産卵誘発によりますが、天然の場合は、時化(しけ)た後に産卵することが多いです。
台風が近づいたり、通過した時の、大きな時化で、放卵放精が一斉に起こるんです。
なぜ時化が起こると誘発さえるのかは、分かっていません。
放卵放精を同期させないことには、受精しませんから、一斉に放卵放精させる事が必要です。

東北区水産研究所で発見された、人工的に産卵させる方法ですが、紫外線を照射した後の海水にアワビを入れています。
過酸化水素を添加した海水でも産卵が誘発される事が発見されています。
この方法を発見してからは、アワビの種苗生産が飛躍的に進歩することになりました。

養殖で幼い頃に育ったアワビは、殻の最初の巻きの部分が緑色なので、すぐに区別がつきます。
これをグリーンマークと呼んでいます。
天然のものは、その先の貝殻の色と同色です。
これは食べ物の色素が現れるからです。

稚貝の頃は、雄と雌の区別がまったく分からず、産卵時期になると雄と雌の肝の色がはっきりと区別できるようになってきます。

クロアワビをオガイ、赤色のメガイやマダカアワビをメガイと呼びますが、これは、見た目でそういっているだけで、実は全然違うんですね。
妊婦さんにオガイとメガイを食べさせると目のきれいな子供が生まれるということから、オガイ、メガイって言ってますが、実は、アワビのオスメスと違うという事です。