【戦国時代】

戦国時代は武将の出陣式に使われていたようです。
出陣前の必勝祈願「三献の儀式(さんこんのぎしき)」
出陣前の戦国武将は、戦に勝てるよう、ゲン担ぎを行っていたようです。
酒を飲みながら、肴に三宝の打ちアワビ、勝ち栗、昆布の3つを食すという儀式でした。
「打ち勝ってよろこぶ」という語呂合わせだったみたいですね。

打ちアワビとは、干した身をむいて、打ち伸ばしたものです。
敵を討ちのばすとの意味を含めてゲンを担ぎました。

三つ重ねた杯に順番に酒を注ぎ、大将が三度づつ飲むという三つ目の杯をし、最後に、杯を地面に打つ付けてわりました。
そして、主将に兜や鎧を着せることになりますが、介添えする人は、右回りに回ってはいけなかったんです。
逃走に通じると勧化手いられたからです。

準備が済むと、大将が、軍扇を広げ弓を持ちが鬨(とき)の声を挙げ、
「エイ!エイ!」というと、家臣達が「オーッ!!」と三度繰り返して、陣営を鼓舞し、士気を奮い立たせました。

士気の後に、大将が、馬に乗りますが、退くというのは、戦においてよくないので、
馬が退いたり、右回りをしたら、もう一度やり直すという、とても慎重な儀式だったようです。

意味が違っていても、音が同じものを重ねることがあり、
受験生には、すべる、ころぶ、落ちるを使わないようにするとか、
結婚式の縁起が悪い言葉、忌み言葉では、切れる、再度、ほどける、いろいろなど、離婚を連想させたり、再婚を連想させる言葉を使わないほうがいいといわれています。

日本には、「言霊(ことだま)」という考え方があって、
言葉は言うことによって、力が宿ると思われています。
マイナスイメージのある言葉を使わず、プラスイメージを持つ言葉を使っていると、プラスのものを引き寄せることになるという事は、実際に体験した方もいるのではないでしょうか。
前向きな人と接していると、やはりこういう言葉をよく使っていますね。

昔は、今よりも、こういった事が強く信じられており、
厳しかったみたいです。

出陣前の期間は、3日前から妻妾との同衾も禁止されていたり、 出産するもの、したものも遠ざけられました。
出血を連想するから、出血を嫌う合戦にはふさわしくないと思われてしまったのです。

武田の騎馬軍の強さの秘密はアワビだったのではという伝承されている話があります。
武将たちは出陣の際に「にぎりめしとアワビの煮貝」を腰兵糧としていたそうです。